新しい商品の価格設定が、もっともむずかしい

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本当にその通りだと思います。
だからこそ、多くの経営者が「原価」や「仕入れ値」に、決まった利益を上乗せする「原価計算方式」を選んでしまう。
あるいは、ライバル企業の「類似商品」の価格を参考にして、なんとなく決めてしまう。

「この方法なら、大きく間違えることはないだろう」
「価格の根拠も説明しやすい」

そう考えてしまう気持ちは、痛いほどわかります。
なぜなら、私自身が過去に手痛い失敗をしたとき、まさにこの「安全な」方法に逃げ込んでしまっていたからです。

当時の私も、他社にはない、明確な「セールスポイント」を持った新しいサービスを開発しました。
私自身、その「価値」には自信がありました。
しかし、いざ値付けをする段になって、私は恐怖に襲われたのです。

「この価値が、本当にお客様に伝わるだろうか?」
「ライバルより高い価格をつけて、そっぽを向かれたらどうしよう?」

その恐怖から、私がとった行動は最悪でした。
自信があったはずの「セールスポイント」という名の「価値」をいったん横に置き、電卓を取り出したのです。

「かかった原価はこれくらいだ」
「ライバルは、だいたいこのくらいの価格だ」
「だから、うちはこれくらいで…」

私は、お客様が受け取る「価値」ではなく、自分が安心できる「原価」と「他社の動向」だけを見て、価格を決めてしまったのです。
その結果、利益はほとんど出ませんでした。

その「他にはないセールスポイント」を実現するために、社員たちは目に見えないところで、たくさんの手間と知恵を絞ってくれていました。
しかし、私がつけた「原価基準」の価格では、その社員たちの頑張りに報いることさえ、まともにできなかったのです。

私は、せっかくの「価値」を自らタダ同然で売り払い、社員を疲弊させるという、取り返しのつかない失敗を犯してしまいました。

価格設定は、原価を計算する「作業」ではありません。
それは、私たち経営者が、自社のサービスの「価値」を自ら定義し、お客様に「この価値のために、この価格をいただきます」と宣言する、最も重要な「決断」です。

原価に利益を乗せるだけなら、誰にでもできます。
しかし、お客様が感じている「価値」を見抜き、それを「適正な価格」としていただくこと。
それこそが、会社を守り、社員に報いるための、経営者にしかできない仕事なのです。

あなたの会社の「本当の価値」、原価基準の安い価格で安売りしていませんか?


ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。

▼ あなたの商品の価格は、あなたの「原価」を反映していますか? それとも、お客様が感じている「価値」を反映していますか?

[サムネールは ChatGPT で作成しました。]

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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