◆経理係が8億を横領、マイホームを手放し家族を泣かせる◆
わたしは経営に携わっていたタクシー会社を46才の時に倒産させてしまいました。わたしが入社して21年目のことです。
わたしは25才の時に入社してタクシードライバーを振り出しに、総務部に配置換えになり課長として人事労務を担当しました。
37才の時に上司の経理係が8億円を横領して逃亡、急遽わたしが経理部長に任命されましたが、簿外債務として消費税5,000万円、社会保険料2億円など延滞金が明るみに。
わたしの経理部長としての最初の仕事は国税局や社会保険事務所(当時)との厳しい支払い交渉です。
社長は若い方に交代し再スタートを切りましたが、リーマンショックなどで売上が激減、資金繰りを良くしようと社員さんの給与を大幅に引き下げ、社員満足や顧客満足を置き去りにした結果、会社は破綻。沢山の方々にご迷惑をおかけしました。
わたしは役員のひとりとして銀行借入の保証人をしており、1億6,523万9,180円の負債を背負い、
借金返済のために長年暮らしたマイホームを手放しました。
◆お客さんの立場になって考える事が、仕事につながると学ぶ◆
失業したわたしを「失敗経験が活かせる仕事だから」と、ある経営コンサルが誘ってくださり、
1年間カバン持ちをやった後、若い頃からの夢でもあった独立を果たします。
真新しい名刺を持って友人知人にあいさつ回りをし、ご祝儀で仕事を受注するなど、順調なスタートを切りました。
時間とお金が自由になると、開放感にひたったのも束の間、
半年も経たないうちに仕事が途切れ、慌ててメールマガジンやfacebookで宣伝、
DMなどを作成し、販促営業するものの成果につながらず、
毎月、通帳残高が減っていくのを眺めてため息ばかり。
奥さんからサラリーマンに戻ってと、ケンカの毎日で家庭崩壊の一歩手前まで転落しました。
アルバイトをしながら打開策を探していた時、先輩の経営コンサルから
商工団体に販促営業してセミナー講師からスタートするようアドバイスを受けました。
販促営業の方法を一から勉強し、北海道内の商工会・商工会議所を訪問して
セミナーを売り込んだところ、いまでは毎年100本超の依頼を受注。
セミナーを受講した社長から、社員研修、コンサルティングの依頼が来るようになり、
事業を軌道に乗せることができました。
販促営業するとき「お客さんの声を聴く」ことを意識して、
お客さんの立場になって考える事が、仕事につながると今更ながら気づきました。
◆わたしの想い◆
わたしのスタンスは、経営者と一緒に解決策を考えることです。
自分の知識を押し付ける、上から目線の指導はやりません。
なぜなら、タクシー会社時代に「先生」たちからの押し付けアドバイスで
嫌な思いをしたことが、何度もあるからです。
企業経営者が正しい経営判断をすることで
企業が良くなり、職場環境が良くなり、社員さん、そしてご家族が幸せになる。
その事が世の中の人々を幸福にします。
そのお手伝いをできるこの仕事に、わたしは幸せを感じています。