「こんなに良いモノが、なぜ売れない?」その問い、スタート地点が間違っているかも

事業計画

「ウチの技術は素晴らしい」「こんなに高品質な商品が、売れないはずがない」
そう信じて、心血を注いで商品開発に取り組む。その情熱は、経営者として当然のものですし、私も痛いほど理解できます。

しかし、その「素晴らしい商品」を世に出した時、お客様の反応が芳しくないとしたら…。
私たちは「良さが伝わっていない」「営業が足りない」と考えがちです。
ですが、もしかすると、その商品の「スタート地点」が間違っていたのかもしれません。

私が犯した「プロダクトアウト」の罠

今の仕事を始めたばかりの頃、私もこの罠に陥りました。
「ゲーム感覚で経営のことを学べる」という研修ツールを購入し、「これは素晴らしい!きっとバカ売れするはずだ」と強く信じて、販売したんです。

私の中での評価は最高でした。「これは革新的だ!」と。
しかし、結果は…残念ながら、それほど売れませんでした。鳴かず飛ばずです。
なぜか? 私は「経営ゲーム」というツールに恋をするあまり、「お客様である経営者が、本当にそれを、その形で欲しがっているか?」という、最も大切な視点を忘れていたのです。
自分の「売りたいもの」を売ろうと努力しただけでした。

スタート地点は、必ず「お客様の困りごと」

この手痛い失敗から、私は学びました。
商品開発のスタート地点は、社内の会議室や研究室にあってはなりません。
それは常に、「市場や顧客の、まだ満たされていないニーズ」であるべきです。

お客様は、何にイライラしているのか?
どんな「不便」を「仕方ない」と諦めているのか?
その「困りごと(=ニーズ)」を徹底的に見つめること。

そして、その「困りごと」を発見して初めて、私たちは自社に問いかけます。
「このお客様の困りごとを、自社の既存の技術やノウハウを使って、解決できないだろうか?」と。

この順番が、決定的に重要なのです。
「ノウハウがあるから、これを作る」のではなく、
「お客様が困っているから、このノウハウで貢献する」のです。

あなたの会社が持つ素晴らしいノウハウや技術は、それ自体が目的なのではありません。
お客様の「満たされていないニーズ」に応え、喜んでいただくための「手段」のはずです。
その原点に立ち返る時、売れないはずの「良いモノ」が、お客様にとって「欲しいモノ」に変わるヒントが見えてくるのだと、私は信じています。

「良いモノ」と「売れるモノ」の違いに悩んだら、「社長110番」で顧客ニーズを再確認する


ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。

▼ あなたが最近、お客様から聞いた「(商品やサービスへの)不満や愚痴」の中で、最も印象に残っているものは何ですか?

[サムネールは ChatGPT で作成しました。]

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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