人材定着の秘訣:明日から使える組織づくり

人事労務

はじめに

「人材が集まらない」「せっかく採用しても定着しない」―― 多くの経営者や管理職の方々が、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。確かに、企業経営において「ヒト・モノ・カネ」は重要な経営資源です。しかし、その中でも「ヒト」は特別な存在です。なぜなら、人は単なる「資源」ではなく、感情を持ち、成長し、そして何より、自らの意思で会社を去ることができるからです。

経営資源としての「人」を考える

なぜ人材確保が重要なのか

会社の衰退は優秀な人材が就職したがらなくなった時に始まります。これは、人材が企業の持続的な成長の源泉であることを如実に物語っています。しかし、人材の確保は「採用」だけでは不十分です。むしろ、今働いている社員の定着に力を入れなくてはいけません。

人材投資の考え方

従来の人材投資というと、給与や福利厚生といった目に見える部分に注目しがちでした。しかし、実際に効果を発揮するのは、もっと日常的な「気づかい」かもしれません。私の経験をお話ししましょう。

現場から生まれた効果的な取り組み

「気分転換」という投資

総務部長時代、私には4人の部下(全員女性)がいました。デスクワークが中心の彼女たちに、月に1回、「社外研修」と称して外出する機会を設けました。ケーキを食べに行ったり、話題の店を見学したり。一見、仕事とは無関係に思えるこの取り組みが、実は大きな効果を生んだのです。

小さな心遣いの積み重ね

さらに、3ヶ月に1回の食事会や、社員の誕生日にはケーキでお祝いするなど、日常に「特別な瞬間」を織り込んでいきました。これらの取り組みは、金額的には大きな投資ではありません。しかし、「会社が自分たちのことを考えてくれている」という実感を社員に持ってもらえる、かけがえのない機会となりました。

理論と実践:効果的な人材戦略

なぜこれらの取り組みが効果的なのか

  1. 変化の創出:単調な日常に適度な変化を付けることで、仕事へのモチベーションが維持されます。
  2. 成長の機会:社外での経験は、視野を広げ、新しい気づきをもたらします。
  3. 心理的安全性:会社が従業員を大切に思っているというメッセージが、信頼関係を築きます。

具体的な目標設定への落とし込み方

このような取り組みを効果的に実施するには、以下のような具体的な目標設定が重要です:

  • どんな経験を提供するか
  • いつ、どのような形で実施するか
  • どのような効果を期待するか

まとめ:辞めたくない会社づくりに向けて

人材の定着は、単なる待遇改善だけでは実現できません。日々の小さな心遣いの積み重ねが、実は最も効果的な「投資」となるのです。明日からスタートできる行動として、以下の3点を提案します:

  1. 定期的な「非日常」の機会を設ける
  2. 社員一人一人の記念日を大切にする
  3. これらの施策を「コスト」ではなく「投資」として捉える

人材を集めにくい時代だからこそ、今いる社員を大切にする。その視点から組織づくりを見直してみてはいかがでしょうか。

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*サムネールは Adobe Fierfly で作成しました。

この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は20,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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