商品開発のヒントは「どのようにマネするか」という視点にある

経営相談

他社の成功事例は、商品開発の大きなヒントになります。しかし、その「マネの仕方」を誤ると、時間とコストをかけたのに全く成果が出ない、という事態に陥りがちです。

私がご支援する中小企業の経営者からも、「流行っているあの商品と同じようなモノを作ったのに、全然売れない」というご相談をよく伺います。

これは、マネするポイントがズレているときに起こる典型的な失敗です。このズレを理解するために、私は「やり方」と「儲かる仕組み」を分けて考えることをお勧めしています。

「やり方」とは、目に見える“表面的な戦術”のことです。
例えば、商品の「機能」や「価格」、「デザイン」や「広告のキャッチコピー」など、誰の目にも分かりやすい部分です。

一方で、「儲かる仕組み」とは、そのやり方を“裏で支えている理由”のことです。
なぜその価格で提供できるのか(仕入れの工夫かもしれません)。なぜそのデザインが顧客に響くのか(徹底した市場調査かもしれません)。なぜその広告で売れるのか(独自の販売網かもしれません)。

多くの場合、私たちは目に見える「やり方」だけをマネしようとして失敗します。

参考にしたい相手と、あなたの会社の置かれた状況(規模、顧客、地域の特性など)が非常に「似ている」のであれば、「やり方」をそのままマネしても、ある程度うまくいくかもしれません。

しかし、相手が業界の「巨人」(大企業)だったり、まったく違う市場で成功していたりする場合、「やり方」だけをマネしても絶対にうまくいきません。

大企業が実現している「安い価格」(やり方)は、私たちには真似できない「巨大な仕入れルート」(儲かる仕組み)によって支えられているからです。その「仕組み」を無視して「価格」だけをマネすれば、自社が赤字になるだけです。

商品開発で行き詰まったとき、私たちはつい、分かりやすい「やり方」に飛びつきたくなります。

しかし本当に大切なのは、まず自社の状況を冷静に見つめ、「私たちは、あの会社の“やり方”をマネすべきか、それとも“儲かる仕組み”を学ぶべきか」を判断すること。

その冷静な視点こそが、他社の成功を自社の力に変える、一番の近道なのだと私は考えています。

他社の「やり方」に惑わされず、「儲かる仕組み」を自社に活かしたい経営者の方へ


  • ビジネスコーチからの問い

ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。
▼ あなたが今「すごい」と感じている競合のやり方は、その会社の“どんな仕組み”によって支えられているか、説明できますか?

[サムネールは ChatGPT で作成しました。]

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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