「あえて小さな市場に留まる」戦略。その本当の「うまみ」を見逃していませんか?

経営相談

「大企業が参入してこないように、あえて市場を小さく留めておく」
「彼らが魅力を感じない、無関心でいてくれる規模で戦う」

これは、中小企業の経営戦略として、非常にクレバーで現実的な判断だと私は思います。
私自身、過去に会社を潰す前、体力もないのに大企業がいるような大きな市場を意識しすぎて、無駄な消耗戦を繰り返してしまった苦い経験があるからです。

大きな組織は、その体を維持するために、どうしても大きな市場、大きな売上を追いかけなければならない宿命にあります。
だからこそ、私たちのような小回りの利く中小企業が、彼らが「うまみがない」と感じるニッチな市場で、独自の地位を築く。
これはまさに、戦わずして勝つ、賢明な「土俵の選び方」です。

しかし、この戦略を実行する上で、多くの経営者が陥りがちな「一つの誤解」があります。

それは、「小さな市場に留まる」ことと、「低い利益で我慢する」ことを、イコールで結んでしまうことです。

「大手が来ないように、儲かっていると気づかれてはいけない」
「だから、価格も安いままで、利益もそこそこで我慢しよう…」

もし、そのように考えてしまっているとしたら、それはこの戦略の本当の「うまみ」を、自ら捨ててしまっているようなものです。

なぜなら、「大手がいない」ということは、「理不尽な価格競争をしなくて良い」ということだからです。
大企業がいないその土俵は、私たち中小企業が、自ら「価格決定権」を握ることができる、非常に恵まれた環境なのです。

この戦略の本当の狙いは、低利益でひっそりと息を潜めることではありません。
むしろ逆です。

競争相手がいない、あるいは少ないこの市場だからこそ、お客様一人ひとりと深く向き合い、私たちのサービスの「本当の価値」を丁寧に伝えることができる。
そして、その価値に見合った「適正な価格(値上げ)」を堂々といただき、高い利益率を実現することこそが、この戦略のゴールであるはずです。

「小さな市場」は、我慢の場所ではありません。
むしろ、「高い利益率を確保するために、あえて私たちが選んだ戦場」なのです。

その高い利益率があってこそ、社員にきちんと報いることができ、サービスをさらに磨き込むことができ、結果として誰にも真似できない強固な参入障壁が築かれていきます。

「小さな市場」で「高い利益率」を実現する。価格戦略を一度、見直してみませんか?


ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。

▼ あなたが選んだ「小さな市場」は、単なる「我慢の場所」になっていませんか? それとも「高い利益率を実現する戦場」になっていますか?

[サムネールは ChatGPT で作成しました。]

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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