経営相談を受けていると、解決策をお伝えした瞬間に、ハッとした顔でこう言われることがあります。
「言われてみればその通りです。なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだろう……」
決して、その経営者の能力が低いわけではありません。
ただ、問題の「渦中」にいて、周りが見えなくなっていただけなのです。
特に、資金繰りが厳しくなっている時は要注意です。これは私自身、専務時代に痛いほど経験しました。
毎月の支払いや銀行の残高が気になり始めると、人間の視野は驚くほど狭くなります。
当時の私もそうでした。表向きは「売上アップの施策」を考えているつもりでも、頭の片隅には常に「今月の支払いをどう乗り切るか」という焦りがありました。
そういう精神状態でひねり出した「起死回生のアイデア」というのは、後から振り返ると、本当にろくなものではありません。
目先の現金欲しさに無理な値引きをしてしまったり、将来性のない仕事に手を出してしまったり。
冷静な時なら絶対に選ばないような「悪手」を、さも名案のように感じて掴んでしまうのです。
溺れている人は、正しい泳ぎ方を思い出す余裕なんてありません。ただただ、必死に水面を叩いて、余計に体力を消耗して沈んでいく。資金繰りに追われている経営者は、まさにこの状態に近いと言えます。
だからこそ、もし今、あなたが「苦しいな」と感じているなら、無理に一人でアイデアを出そうとしないでください。
必要なのは、新しいアイデアではなく、岸の上から「こっちに浮き輪があるよ」と声をかけてくれる第三者の存在です。
渦中の外にいる人間と話すだけで、驚くほど冷静な視点を取り戻せることがあります。「なんだ、そんな手があったか」と笑える日が、必ず来ますから。
- ビジネスコーチからの問い
ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。
▼ 今、あなたが抱えている悩みについて、もし「まったく利害関係のない友人」から相談されたとしたら、あなたはその友人にどんなアドバイスをしますか?
[サムネールは ChatGPT で作成しました。]
#経営参謀サービス #ビジネスコーチ #エグゼグティブコーチング #経営者 #社長 #起業家 #資金繰り #経営相談 #メンター #経営判断 #意思決定 #壁打ち #中小企業 #悩み相談 #経営マインド
