その「常識」、本当に社員のためになっていますか?

経営相談

「業界の常識を疑え」
「大手がやらないこと、できないことにこそチャンスがある」

経営に関する本を開けば、必ずと言っていいほど出てくる言葉です。
大企業は組織が大きく、意思決定に関わる人が多すぎるため、どうしても「常識的」で「リスクのない」無難なアイデアに落ち着きがちです。
だからこそ、私たち中小企業は、彼らが手を出せない「異常識」や「非常識」とも思える領域に活路を見出すべきだ。

私も、心からその通りだと思います。

では、お伺いします。
私たち中小企業の経営者が、今、最も「非常識だ」と恐れ、実行できずにいることは一体何でしょうか?

多くの経営者が「それはお客様のためにならない」「そんなことをしたら、お客様が離れていってしまう」と、まるで業界のタブー(非常識)であるかのように恐れていること。

私自身の経験上、それは「値上げ」です。

会社を潰す前の私は、「お客様のために、価格はできるだけ安く据え置くべきだ」という「常識」に、がんじがらめに縛られていました。
値上げをすることは、お客様を裏切る「非常識」な行為だとさえ思い込んでいたのです。

しかし、その「常識」を守り続けた結果、どうなったか。
会社にはまったく利益が残らず、資金繰りは悪化の一途をたどりました。
そして何より、毎日必死で働いてくれている社員たちに、私はまったく報いることができませんでした。

ボーナスどころか、毎月の給与を支払うことさえ危うくなる。
そんな状況で、社員たちが安心して働けるはずがありません。
私は、「お客様のため」という名の「常識」を守るために、一番大切にすべきはずの社員たちの生活を犠牲にしていたのです。

今だから、痛いほどの失敗を経て、はっきりとわかります。

本当の「非常識」とは、値上げをすることではありません。
会社を支えてくれている社員たちを犠牲にしてまで、価格を据え置こうとすること。それこそが、経営者として最もやってはならない「異常識」だったのです。

勇気を持って、私たちの価値に見合った「適正な価格」をいただくこと。
一見すると、それは業界の「非常識」な行動に見えるかもしれません。

しかし、それこそが社員の生活を守り、お客様へ提供するサービスの質を維持・向上させ、会社を未来へ繋いでいくために絶対に必要な、経営者としての「真っ当な常識」です。

大企業や多くの中小企業が、「お客様が離れるのが怖い」という「常識」に縛られ、この「適正な値上げ」という行動を取れずにいる。
もしそうなら、私たちが勇気を持ってそれに取り組むことこそが、他社には真似できない最強の差別化になるのではないでしょうか。

その「常識」、本当に正しいですか? 値上げの恐怖を「社長110番」で打ち明けてみる


ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。

▼ あなたが「お客様のための常識」だと思い込み、その結果、社員の誰かを犠牲にしていることはありませんか?

[サムネールは ChatGPT で作成しました。]

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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