「面接ではあんなにハキハキしてて、本当にいい人だと思ったのになぁ…」。社長、その気持ち、痛いほどよく分かります。私も昔、人の良さそうな笑顔や、耳障りの良い言葉だけを信じて採用し、後で頭を抱えた経験が何度もありますから。
「人」は最大の資産であると同時に、一番の悩みのタネでもありますよね。一人採用するだけでも、会社の未来を左右する大きな決断です。
だからこそ、「いい人そう」という感覚的な基準に頼ってしまうのは、実は非常に危険な落とし穴なんです。もちろん、人柄が悪いよりは良いに越したことはありません。しかし、その「良さ」は、私たちの会社が求める価値観や、チームの輪を大切にする姿勢と、果たして同じ方向を向いているでしょうか。
優しいけれど、指示待ちで主体性がない。穿ったことを言うけれど、困難な仕事からはスッと逃げてしまう。そんな状況が続けば、真面目に頑張っている他の社員たちの士気まで下がってしまいかねません。それは、私がかつて「どん底」で味わった、組織が崩れていく空気そのものなのです。
相手の本音を引き出す「もしも質問」
では、どうすれば面接という短い時間で、相手の本質に少しでも近づけるのでしょうか。私が多くの失敗から学び、実践しているのは、非常にシンプルな一つの問いかけです。それは「もし、あなただったらどうしますか?」という、仮説の質問を投げかけること。これは、相手の過去の実績(What)を問うのではなく、その人の思考のクセや行動原理(How)、つまり「OS」そのものを探るための魔法の質問です。
例えば、こう問いかけてみるのはどうでしょう。「もし、仕事の進め方について、どうしても納得できない会社のルールがあったら、あなたならどうしますか?」。この質問に、ただ「従います」と答えるだけか、「まずはルールができた背景を理解しようと努めます。その上で、もっと良い方法があれば、理由を添えて提案してみたいです」と答えるか。そこには、仕事への向き合い方や主体性に、大きな違いが見えてくるはずです。他にも「もし、お客様から厳しいクレームを受けたら」「もし、頼りにしていた先輩が突然辞めてしまったら」。こうした状況設定は、相手のストレス耐性や問題解決能力、人間性を「見える化」してくれます。
入社後3ヶ月が勝負。定着させるための「覚悟」
そして何より大切なのは、採用はゴールではなく、始まりに過ぎないという事実です。どんなに素晴らしい人材を採用できたとしても、その後の受け入れ体制、いわゆるオンボーディングが杜撰(ずさん)では、宝の持ち腐れになってしまいます。特に最初の3ヶ月。新しい環境に飛び込んできた社員は、経営者である私たちが想像する以上に、大きな不安と孤独を抱えています。
この期間に「あなたに何を期待しているのか」を具体的に伝え、定期的に1対1で話す時間を作り、「困っていることはないか?」と寄り添う。ただそれだけでも、「自分は大切にされている」「この会社で頑張りたい」という気持ちを育むことができます。
採用すると決めたのは、社長であるあなた自身です。ならば、こちらも腹を括って、その社員が「七転び八起き」しながらでも成長していけるよう、伴走していく覚悟が問われます。それこそが、私が信じる「社員を大切にしながら利益を出す経営」の第一歩なのです。
人に関する悩みは、決して尽きることがありません。もし、あなたが採用や組織のことで一人、頭を抱えているのなら。
「いい人だと思ったのに…」もう採用で失敗したくない社長のための経営参謀サービス
ビジネスコーチ大本から、今日のコーチングです。
▼あなたは、候補者の本質を見抜く以前に、自社が「選ばれるに値する場」であると、胸を張って語れますか?
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