渦中にいる時は、自分が「溺れている」ことにすら気づけない

社長専門コーチング

経営相談を受けていると、解決策をお伝えした瞬間に、ハッとした顔でこう言われることがあります。
「言われてみればその通りです。なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだろう……」

決して、その経営者の能力が低いわけではありません。
ただ、問題の「渦中」にいて、周りが見えなくなっていただけなのです。

特に、資金繰りが厳しくなっている時は要注意です。これは私自身、専務時代に痛いほど経験しました。

毎月の支払いや銀行の残高が気になり始めると、人間の視野は驚くほど狭くなります。
当時の私もそうでした。表向きは「売上アップの施策」を考えているつもりでも、頭の片隅には常に「今月の支払いをどう乗り切るか」という焦りがありました。

そういう精神状態でひねり出した「起死回生のアイデア」というのは、後から振り返ると、本当にろくなものではありません。

目先の現金欲しさに無理な値引きをしてしまったり、将来性のない仕事に手を出してしまったり。
冷静な時なら絶対に選ばないような「悪手」を、さも名案のように感じて掴んでしまうのです。

溺れている人は、正しい泳ぎ方を思い出す余裕なんてありません。ただただ、必死に水面を叩いて、余計に体力を消耗して沈んでいく。資金繰りに追われている経営者は、まさにこの状態に近いと言えます。

だからこそ、もし今、あなたが「苦しいな」と感じているなら、無理に一人でアイデアを出そうとしないでください。

必要なのは、新しいアイデアではなく、岸の上から「こっちに浮き輪があるよ」と声をかけてくれる第三者の存在です。

渦中の外にいる人間と話すだけで、驚くほど冷静な視点を取り戻せることがあります。「なんだ、そんな手があったか」と笑える日が、必ず来ますから。

「溺れる前」に相談できる、利害関係のない話し相手はこちら


  • ビジネスコーチからの問い

ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。
▼ 今、あなたが抱えている悩みについて、もし「まったく利害関係のない友人」から相談されたとしたら、あなたはその友人にどんなアドバイスをしますか?

[サムネールは ChatGPT で作成しました。]

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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