「お客様のためを思って、新しい機能を追加した」
「時代の流れに合わせて、新しいサービスも始めた」
良かれと思って、自社のサービスを複雑にしたり、事業の領域を広げたりしていないでしょうか。
一見すると、それは会社の成長のために必要な「攻めの経営」に見えるかもしれません。
しかし、その「足し算」が、気づかぬうちに、会社の首をじわじわと締めているとしたら…?
私にも、そんな苦い失敗の経験があります。
お客様も、社員も、誰も幸せにしなかった「全部乗せ」
専務時代、私はある大きな過ちを犯しました。
当時、私たちの主力事業は少しずつ頭打ちになっていました。焦った私は、「あれもこれも」と、既存のサービスに次々と新しいオプションを付け加え、さらには全く関連性のない新規事業にまで手を出してしまったのです。
「選択肢が多ければ、お客様は喜ぶだろう」
「事業が多ければ、どれかが当たって会社は安定するはずだ」
本気でそう信じていました。しかし、現実は真逆でした。
現場の社員たちは、複雑になりすぎた商品知識を覚えきれず、お客様への説明もしどろもどろに。
お客様は、多すぎる選択肢を前に「結局、なにが本業なの?」と、かえって離れていきました。
さらに、ヒト・モノ・カネといった貴重な経営資源が新しい事業に分散された結果、本来一番力を入れるべきだった主力事業の品質まで低下するという、最悪の事態を招いてしまったのです。
期待した相乗効果(シナジー)などどこにもなく、そこにあったのは、単なる「1 + 1 = 2」の、まとまりのない事業の寄せ集めでした。
「集中」こそが、中小企業の最大の武器である
この痛恨の失敗から、私は経営の原則を学びました。
事業というものは、決して複雑にしてはいけません。
なぜなら、それを使うお客様も、提供する社員も、ほとんどが普通の人間だからです。
誰もが直感的に理解できるほど「単純」でなければ、その価値は決して伝わりません。
そしてもう一つ。事業は、決して「多様化」させてはいけません。
あなたの会社の強みという「幹」からあまりにかけ離れた分野に手を出すことは、貴重なエネルギーを浪費するだけです。
もし多角化するならば、自社の核となる技術を応用するか、今のお客様をもっと深掘りする形に留めるべきです。
あれもこれもと手を出すのではなく、自社の戦うべき領域をぐっと絞り込み、そこに全戦力を集中させる。
それこそが、経営資源の限られた中小企業が、大手にも負けない輝きを放つための、唯一の道筋ではないでしょうか。
事業が多すぎて、何が強みか分からなくなっていませんか?「社長110番」で、あなたの会社の「幹」を一緒に見つけましょう。
ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。
▼もし明日から、あなたの会社がたった一つの事業しかできなくなるとしたら、どの事業を残しますか?そして、その理由はなぜですか?
[サムネールは ChatGPT で作成しました。]
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