「安いから売れる」は、ゆっくりと会社を蝕む毒になる

失敗からの逆転:経営者の教訓

「町内の店が、また値段を下げてきた…」
経営者仲間と話していると、そんな焦りの声を聞くことがよくあります。お客様が価格でしか選んでくれていないと感じる時、その不安に抗うのは本当に難しい。
かつて私が経営に関わっていた会社が苦境にあった時も、目の前の売上欲しさに、安易な値下げに手を出したくなる誘惑は常にありました。それはまるで、先の見えない暗闇の中で、唯一見つけた細い蜘蛛の糸のように思えるのです。
しかし、その糸をたどった先にあるのは、決して希望ではありません。終わりのない消耗戦です。
価格競争に足を踏み入れるということは、自社の血肉を削り、社員の努力を安売りするということ。利益は減り、現場は疲弊し、何より「自分たちは安くないと選ばれない存在なんだ」という無力感が、組織全体を静かに蝕んでいきます。
私がどん底で学んだのは、恐怖からくる意思決定は、決して会社を良い方向へは導かないという、痛いほどシンプルな事実でした。

あなたの会社が、明日なくなったら「本当に困る」のは誰ですか?

価格競争という沼から抜け出すための一歩は、自分たちの「価値」を、自分自身が心の底から信じることです。机上の空論ではなく、あなたのビジネスの真ん中にある価値です。
もし今、あなたが自社の価値に迷っているのなら、少しだけ立ち止まって、考えてみてください。なぜ、もっと安い選択肢があるにもかかわらず、あなたから買い続けてくれるお客様がいるのでしょうか?
そのお客様は、あなたの会社の何に「ありがとう」と言ってくれているのでしょうか?そして、もし明日、あなたの会社がこの世からなくなってしまったら、本気で困り、悲しんでくれるお客様は、一体誰なのでしょうか?
その「誰か」の顔を思い浮かべた時、そこに浮かび上がってくるものこそ、あなたの会社が提供している本当の価値です。それは、単なる商品やサービスの機能ではなく、安心感かもしれないし、特別な専門性かもしれません。
あるいは、あなたや社員の人柄そのものかもしれません。その価値に気づけた時、私たちは初めて、価格という土俵から降りる勇気を持つことができるのです。

「高い」のではなく「価値がある」と伝わるストーリーを

価値が見つかったら、次はその伝え方です。お客様は「価格」と「価値」を天秤にかけて、支払うかどうかを判断します。あなたの仕事は、価値の皿をぐっと重くすること。
スペックや機能をただ説明するだけでは、価値は伝わりません。なぜこの商品が生まれたのか、どんな苦労があったのか、そしてそれを使うことでお客様の未来がどう変わるのか。あなたの言葉で、物語を語るのです。
「高いですね」と言われたら、それはチャンスです。「そうですよね。でも、この価格には理由があるんです」と、自信を持ってそのストーリーを語ってください。お客様がそのストーリーに共感し、「なるほど、それならこの価格でも安いものだ」と感じてくれた時、あなたは価格競争から完全に解放されます。
それは、自社の仕事に誇りを持ち、お客様と対等な信頼関係を築く、真の経営の始まりです。あなたの会社の価値を信じ、それを堂々と語ること。その一歩を踏み出す経営参謀として、私が隣で伴走します。

自社だけの価値を見つけ、安売りせずに選ばれる価格戦略を経営参謀と作りたいあなたへ


ビジネスコーチ大本から、今日のコーチングです。

▼もし、法律で「価格」について一切話してはいけないと決められたら、あなたはお客様に自社の商品(サービス)の魅力をどのように伝えますか?

サムネールは ChatGPT で作成しました。

#経営参謀サービス #ビジネスコーチ #エグゼクティブコーチング #経営者 #起業家 #会社経営 #価値経営 #価格戦略 #ブランディング戦略 #脱価格競争 #経営者の悩み #利益改善 #30代経営者 #40代経営者 #経営者と繋がりたい

この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

大本 佳典をフォローする
失敗からの逆転:経営者の教訓
大本 佳典をフォローする