経営危機の前兆:元タクシー会社幹部が語る5つの重要チェックポイント

経営の危険信号を見逃すな! ~元タクシー会社幹部が語る、痛恨の教訓~ 社長専門コーチング

はじめに:タクシー会社倒産の経験から

私は元タクシー会社の幹部です。「元」と言うのには理由があります。私たち経営陣の判断ミスで会社を倒産させてしまったのです。今振り返ると、倒産の兆候は至る所に現れていました。しかし、当時の私たちはそれらを見逃すか、「なんとかなるさ」と楽観視していました。

この苦い経験から学んだ「経営危機の前兆」を、今日はみなさんにお伝えします。

経営危機の前兆:5つの重要チェックポイント

1. 全体の雰囲気:会社の空気が経営を左右する

  • いらっしゃいませ、ありがとうございました、をロボットのように言う。
  • 乗車すると聞いてもいないのに、ドライバーが経営陣の悪口をはじめる
  • 電話の対応が悪くなる、横柄になる。
  • トイレが汚い!(細かいところまで手をまわす人手と時間が無くなる)
  • 社内の笑い声が減少

2. ヒト:人材が会社を支える

  • 優秀な社員から次々と退職
  • 経理部門の担当者が突如退職する(資金繰りのことをいちばん知っている人ですから)
  • 社員の勤労意欲が低下(電話・接客の場面で、他人事のような対応をされます)
  • 人手不足で常に募集中の状態が続く
  • 使ってない車両が常に車庫にある(頻繁な欠勤や遅刻が増加)

3. モノ:資産管理の重要性

  • どの車も汚い(ドライバーが車を手入れしない。モチベーションや忠誠心欠落)
  • 整備不良の車両が多い(乗っているとガタゴトと音がして不安になります)
  • 玄関の電気が消えている(節約のしすぎ)
  • 在庫管理がずさんになる
  • 必要な設備投資の先送り(まだ大丈夫、まだ使える)

4. カネ:健全な財務が会社を守る

  • 取引先への支払い遅れ、給与支払いの遅延
  • 振り込み銀行の変更を依頼してくる(メインバンクとの関係が悪化している)
  • 月末になると社長と経理部長が不在になる(延べ払いのお願いに走り回ってます)
  • 取引先に、やたらと値引きを要求する。
  • 壁に売上目標「必達」という文字が大きく書かれている。

5. 情報:コミュニケーションが会社を動かす

  • 社長の所在を聞いても、わかりませんと言われる。
  • 電話をたらい回しにされる。
  • クレーム対応の遅れ
  • ドライバーが会社の悪口を、ずーーーーっと言い続ける。
  • SNS上での悪評の増加

まとめ:定期的な自社チェックの重要性

これらのチェックポイントを定期的に確認することで、経営危機の前兆を早期に発見できます。特に注意すべきは「全体の雰囲気」です。数字には表れにくいですが、会社の健康状態を如実に表します。

私たちのタクシー会社は、このリストの「危険信号」にことごとく当てはまっていました。皆さんも、このリストを参考に自社の健康状態をチェックしてみてください。経営の道は決して平坦ではありませんが、これらの兆候に早めに気づけば、多くの危機は回避できるはずです。

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は20,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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