あの日、胃が締め付けられる思いで駆けずり回った私

経営相談

月末が近づくと、今でもふと、あの日の胃が締め付けられるような感覚が蘇ることがあります。会社の金庫は空っぽ。社員の給料、取引先への支払い。カレンダーの日付が一つ進むたびに、寿命が縮まるような思いでした。経営者であれば、程度の差こそあれ、誰もが一度は経験するであろう資金繰りの恐怖。私もまた、その恐怖に飲み込まれ、取り返しのつかない過ちを犯した一人です。

当時の私は、まさに崖っぷちに立たされていました。どこに頭を下げても、新たな融資の道は開けない。目の前が真っ暗になり、「もうダメかもしれない」という絶望が心を支配していく。そんな時、悪魔が囁くかのように、ある選択肢が頭をよぎったのです。

失ったのは金か、それとも…

それは、短期的な資金を確保するため、長年かけて築き上げてきたはずの「ある約束」を破る、という選択でした。「今回だけだ」「これで急場をしのげば、すぐに元に戻せる」。そう自分に言い聞かせました。いや、そう思い込もうとした、と言う方が正しいでしょう。焦りとプレッシャーの中で、正常な判断能力を完全に失っていたのです。

その場しのぎの金を手にした代償は、あまりにも大きなものでした。私が失ったのは、目先の支払いに必要だった金額などではありません。社員からの信頼、取引先との関係性、そして何よりも、「正直でありたい」と願っていた自分自身の誇りでした。一度失った信用は、簡単には取り戻せない。お金のように、借りたり返したりできるものではなかったのです。あの時の決断は、今も私の心に深い傷として残り、猛烈な後悔となって時折、胸を締め付けます。

貸借対照表には載らない、最大の資産

この「どん底」の経験から、私は骨身にしみて学びました。経営において、会社が持つべき最大の資産は、現金や不動産ではない。目には見えない「信用」という名の財産なのです。社員を大切にし、顧客に誠実であること。たとえ苦しくても、守るべき一線を絶対に越えないこと。その愚直なまでの積み重ねこそが、会社を本当の意味で強くする。

私が今、経営者の皆さんに「寄り添う」こと、そして共に未来を描く「経営参謀」でありたいと心から願うのは、この痛恨の失敗があるからです。同じ轍を踏んでほしくない。たった一度の過ちで、大切なものをすべて失ってほしくない。だからこそ、私は自らの恥を晒してでも、この話を語り続けます。

たった一人で資金繰りの不安を抱え、眠れない夜を過ごしているあなたへ。あなたの『経営参謀』が、共にその重荷を背負います。


ビジネスコーチ大本から、今日のコーチングです。

▼あなたが明日、資金繰りに窮したとして、それでも絶対に守り抜くと誓える『たった一つの約束』とは、誰との、どんな約束ですか?

サムネールは ChatGPT で作成しました。

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は20,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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