今日も、誰よりも早く出社し、誰よりも遅くオフィスを出る。鳴り止まない電話に対応し、現場のトラブルに駆けつけ、溜まった見積書を夜中までかかって片付ける…。そんな毎日に、一種の充実感を覚えてはいないでしょうか。しかし、心のどこかで「本当にやるべき仕事は、これじゃない」という焦りを感じてはいないでしょうか。
その状態こそ、多くの中小企業経営者が陥る「プレイングマネージャーの罠」です。「自分がやった方が早いし、クオリティも高い」という思い込みは、短期的には正しいかもしれません。しかし、それは会社の未来の時間を食いつぶしている、危険な状態なのです。
私もかつて、この罠にどっぷりとハマっていました。目の前の火消し作業に追われるあまり、事業全体がどこへ向かっているのか、その羅針盤をゆっくりと眺める時間を持てずにいました。その結果どうなったか。言うまでもなく、いつまで経っても成長することができませんでした。
社長が「やらなくていい仕事」リスト
この罠から抜け出す第一歩は、今あなたが抱えている仕事の中に「社長がやらなくてもいい仕事」がどれだけあるかを、直視することです。以下のシンプルな問いを、自分に投げかけてみてください。
「この仕事は、自分以外の誰かでもできる仕事だろうか?」
このフィルターにかければ、驚くほど多くの仕事が「やらなくていい仕事」に分類されるはずです。例えば、定型的な書類作成、ルーティン化された顧客対応、詳細なデータ入力…。これらは、仕組み化したり、社員を信頼して任せたりすることで、あなたの手から離せる仕事です。
「任せるのが不安だ」という気持ちは、経営者なら誰しもが抱くものです。しかし、それは社員の能力を信じていないことの裏返しでもあります。仕事を任せることは、単なる業務の委譲ではありません。それは、社員の成長機会を創出し、組織全体の力を底上げする、社長にしかできない重要な「投資」なのです。
週に4時間、未来を創る時間を確保する処方箋
「言うは易し、行うは難しだ」という声が聞こえてきそうです。そこで、具体的な処方箋を一つ。まずは「週に4時間、社長業に専念する時間」を強制的に確保することから始めてみましょう。
やり方はシンプルです。
- カレンダーを聖域にする:毎週決まった曜日・時間(例えば金曜の午後)を「未来のための会議」としてブロックし、何があっても死守する。これは、誰にも邪魔されない、あなただけの聖域です。
- 物理的に場所を変える:その時間になったら、オフィスを出ましょう。カフェでも、公園のベンチでも構いません。日々の「作業」が行われる場所から離れることで、思考を未来へと切り替えるのです。
- 考えるテーマを決めておく:その4時間で何をするか? それは「5年後の会社はどうなっていたいか」「新しい収益の柱は作れないか」「業界の動向は今後どう変わるか」といった、緊急ではないが、極めて重要な問いについて、ただひたすらに思考を巡らせる時間です。
この週に4時間という時間は、目先の売上には直結しないかもしれません。しかし、この時間こそが、会社の5年後、10年後の未来を創り出す、最も価値のある時間なのです。
日々の「作業」からあなたを解放し、未来を語り合う時間を共に創る。それが私の「経営参謀」としての役割です。
ビジネスコーチ大本から、今日のコーチングです。
▼ もし、あなたの1週間の仕事内容を時給換算したとしたら、最も「高単価」な仕事と、最も「低単価」な仕事は、それぞれ何ですか?
サムネールは ChatGPT で作成しました。
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