血の気が引く「資金ショート」。その時、社長が絶対にやってはいけないこと

失敗からの逆転:経営者の教訓

「あと1週間で、支払う金がなくなる…」

会社の預金通帳の残高を睨みつけながら、血の気が引いていく。冷や汗が背中を伝い、心臓が嫌な音を立てる。経営者であれば、想像するだけで恐ろしくなる悪夢のような状況。しかし、これは決して他人事ではありません。

私自身、会社を潰した時、この恐怖と焦燥感でまともな判断などできなくなっていました。周りには順調なフリをしながら、頭の中は「どうしよう」という言葉で埋め尽くされ、完全に思考停止に陥ってしまうのです。この孤独感こそが、経営者を最も危険な道へと誘い込む悪魔の正体です。

藁(わら)にもすがる思いが、さらに深い沼へ引きずり込む

パニック状態になると、人は正常な判断力を失い、「とにかく、今この瞬間を乗り切ること」しか考えられなくなります。そして、絶対に手を出してはいけない禁断の扉に手をかけてしまうのです。例えば、法外な金利の金融業者。

「すぐに貸します」という甘い言葉は、地獄への入り口です。一時的に息をつけたとしても、その後の返済は会社の体力を確実に、そして急速に奪っていきます。

また、「オレがなんとかするしかない」と、社長個人の資産を安易に会社に注ぎ込んだり、親兄弟や友人から無理な借り入れをしたりするのも危険な選択です。それは問題を先送りしているだけであり、もしものことがあった時、あなたは会社だけでなく、あなた自身の人生と大切な人間関係までをも破壊しかねません。

私も、見栄と責任感から「誰にも頼れない」と一人で抱え込み、事態を悪化させた苦い経験があります。

傷を最小限に食い止めるための、最初の一歩

もし万が一、あなたが資金ショートの危機に瀕したなら。まずやるべきことは、闇雲に金策に走ることではありません。ぐっと堪えて、たった一つ、「一人で抱え込まないと決める」ことです。

その上で、冷静に紙とペンを用意し、会社の現預金、1ヶ月後までの入金予定、そして支払わなければならない全てのリストを書き出してください。給与、仕入代金、手形、借入返済、社会保険料…。全てを「見える化」し、支払いの優先順位を決めるのです。

この作業を一人で行うのが辛ければ、信頼できる専門家を頼ってください。税理士の先生でもいい、私のような経営コンサルタントでもいい。客観的な第三者の視点が入るだけで、パニック状態だった頭に少しだけ冷静さが戻ります。

資金ショートは経営の終わりではありません。会社の膿を出し切り、本当の意味で筋肉質な経営へと生まれ変わるための、痛みを伴う「転機」なのです。その覚悟を決めることができれば、必ず道は拓けます。

一人で資金繰りに悩む社長が、最初に相談すべき経営参謀サービス


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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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