はじめに
「まさか、うちの会社でそんなことは起こらないだろう」と思っていませんか?
しかし、実際には小さな組織でも大規模な横領事件が起こる可能性があります。私自身、上司が推定8億円を横領して逃亡してしまい、金融機関や取引先への説明、資金繰りに奔走し、3か月近く仕事どころではありませんでした。会社を退職しようかと真剣に考えるほど精神的にも追い詰められ、この事件が与える影響の大きさを痛感しました。
本記事では、同じような被害を中小企業の経営者が避けるために、横領や現金の着服が起こる3つの主な原因と、それに対する具体的な対策を解説します。
原因1「動機」
社員が横領に手を染める大きな要因の一つに「動機」があります。多重債務を抱える、遊興費にお金を使いすぎてしまう、会社でのストレスを発散できずにいる──こうした背景があると、横領のリスクが高まるといわれています。
対策
- 定期的な1on1ミーティング
社長や上司が部下と一対一でじっくり話をする機会を設けることで、社員の抱えている経済的・精神的問題を早期に察知できます。 - 社外での会食などのリフレッシュ機会
職場でのストレスや悩みを外に持ち出して、リラックスできる環境でコミュニケーションを図ることも有効です。
体験談を交えて
私の上司も、後から考えれば債務やストレスを抱えていた節がありました。しかし、誰もそのサインに気付けなかったのです。もっと早く経営層が1on1や雑談の機会を作れていれば、結果は違ったかもしれません。
原因2「自己弁護」
横領に手を染める人は、「自分にも言い分がある」「これは正当な報酬だ」といった形で、自らの行為を正当化しがちです。その引き金になるのが、「上司や経営者自身のルール違反」。上司が身勝手に経費を使っていたり、会社の資金を私用に流用していたりすると、「自分だけが悪いわけではない」という心理が働きやすくなります。
対策
- 上司や経営者が規範となる
社員は上司や経営者の姿を見ています。模範的な行動を取り、ルールを守る姿勢を示すことで「経営者が真面目にやっているから自分も」という健全な意識を根付かせましょう。
体験談を交えて
私の上司の場合、会社の経費使用に関して透明性が低く、経営者側のモラル意識も曖昧だったように感じます。経営者が率先してルールを守る体制があれば、被害は防げた可能性があります。
原因3「機会」
どれほど強い意志を持っていても、「着服できる環境」が整ってしまうと、人はつい悪い誘惑に負けてしまうことがあります。会社の仕組みとして、現金を自由に扱える権限が1人に集中していたり、チェック体制が甘いと不正リスクは急上昇します。
対策
- 現金の取り扱いルールを徹底する
たとえば、一定額以上の現金を扱う場合は必ず複数名の承認が必要な仕組みにするとか、そもそもお客様からの現金預かりを避ける仕組みを作る、といった方法が考えられます。 - 複数人でのチェック体制
現金管理や経理に関してはワンオペを避け、必ず二重、三重のチェックを行うのが理想です。
体験談を交えて
私が経験した事件では、上司一人が大きな金額を自由に動かせる立場にありました。最初は小さな使い込みだったかもしれませんが、チェックする人間がいないうちに金額が膨らんでしまったのです。
まとめ
社員が横領に至る3つの原因は、1)動機、2)自己弁護、3)機会です。いくら信用している社員であっても、これらの要素が重なると、いつしか横領に手を染めてしまう可能性があります。実際に私も上司が逃亡するという衝撃的な経験をし、会社の資金繰りや取引先への説明に追われる厳しさを痛感しました。経営者の油断が、人を犯罪者に追い込み、結果として他の社員や取引先に甚大な迷惑と損害をもたらすのです。
ここからはじめてみませんか
- まずは自社のルール確認
現在の金銭管理ルールや監査体制を見直し、リスクが潜んでいないかを早急にチェックしましょう。 - 定期的なコミュニケーションの場を設ける
社員との1on1や社外での意見交換は、問題の早期発見に大きく役立ちます。 - トップや管理職が率先して模範を示す
経営陣や管理職が会社のルールを守り、透明性を高めることで、組織全体に「不正は許されない」という意識を根付かせることができます。
横領を未然に防ぐためには、“経営者の意識改革”が欠かせません。会社を守るのは、経営者であるあなたの行動次第です。今こそ、自社に潜むリスクを洗い出し、より安全な経営体制を築いていきましょう。
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