社長として最も困難なことは自分の心理のコントロールです。
社内で問題が起きているとき、
社長は2種類のミスを犯しがちです。
一つは、問題を自分個人の問題と受け取ること。
二つ目は、逆に自分とはあまり関係ないと受け取ること。
一つ目の会社でおきた問題を
自分自身の問題と捉えすぎる社長は、
最初積極的に解決に向けて部下を酷使しすぎます。
社員が辞めたくなるほど酷使します。
しかしやがて心身ともに疲れてしまう。
二つ目の度を超えた客観的捉え方もいけません。
「まだ大丈夫」が典型的なセリフです。
時間はあっという間に過ぎて手遅れになります。
社長は平静を保ちつつ、課題に速やかに対処すれば良いのです。
平静を保つ。
そのために役立つものは二つあります。
一つは、なんでも話せるパートナーを持つことです。
困難な決断をしてきた経験のあるパートナーに相談し、
助言を得ることで心理状態は非常に良くなり
平静を保つことができます。
二つ目は紙に書いてみること。
紙にひたすら書くことによって問題点が視覚化され、
決断を下しやすくなります。
社長という立場にあるとき、
最も難しいことは自分自身の心のコントロールです。
社長には責任があります。
社員とその家族、取引先、仕入先、金融機関、そして社会に責任があります。
重圧に耐えるために心のコントロールを、自らしなくてならないのです。
(以上、「HARD THINGS」 ベン・ホロウィッツ著を参考に大本が再編しました)