社員が取引先からバックマージンをもらっていることが発覚した事例

社内のリスク管理を再点検してはいかがでしょうか。 お仕事風景

社内のリスク管理を再点検してはいかがでしょうか。

社員が取引先からバックマージンをもらっていることが発覚した事例です。

営業マンのAはとても営業成績が良く、営業部長の覚えも良かったそうです。

ある日のこと、Aは所用のため有給休暇を取り会社を休みました。

事務員のBさんは毎朝、誰よりも早くに出社して、事務所の机を拭くのが日課でした。

事務員のBさんがいつもどおり、営業マンAの机を拭こうとした時、昨晩Aが飲み残したコーヒーカップが置いてあり、誤ってコーヒーをこぼしてしまいました。

事務員のBさんは、コーヒーを拭き取りながら、デスクの中にコーヒーが入ったら大変と、引き出しを開けて中を確認しました。

すると引き出しの中に営業マンA名義の通帳が無造作にありました。

Bさんは好奇心がわき、その通帳を手に取りパラパラとめくったのです。

(このこと自体は、人のプライバシーのこともありますし決して許されることではありません。)

Bさんが通帳をめくると、取引先から毎月お金が振り込まれていることに気づきました。

それをじっと見つめていたBさんは気づきました。

もしかしたらAは取引先と良からぬ事をしているかもしれない。

Bさんは通帳を、出社してきた営業部長に見せました。

営業部長は他人の通帳を勝手に見るのは、いかがなものかと内心思いましたが、Bさんの勢いに押されて内容を確認しました。

確かにAの個人通帳に、取引先から定期的に振り込みがあります。

「まさか・・・」部長は頭が真っ白になったそうです。

翌日、部長は出社した営業マンAを会議室に呼び出し、通帳のコピーを示しながら、事情説明を求めました。

営業マンAは真っ青になり、しばらく黙っていましたが、急に立ち上がり、申し訳ございませんと叫びました。

Aによりますと、かれこれ2年ほど取引先に安く販売する見返りとして、バックマージンをもらっていたとのこと。

この事例は、事務員のBさんがたまたまコーヒーをこぼし、好奇心から通帳をめくったことが発端で明るみになりました。

社員が個人的に、取引先からバックマージンをもらう行為は、会社に損害を及ぼすと同時に、取引先との信頼関係も損ないます。

営業マンのAはその後、懲戒処分を受けたとのことです。

バックマージンを払っていた取引先とは関係がギクシャクし、とうとう取引が切れました。

さて、こういう事態を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。

わたしは物と心の両面から対策する事をおすすめします。

「物」とは目に見える形で対策することです。

例えば、定期的に異動をさせる(金融機関では3年から4年に必ず異動があるそうです)。

半年に1回、1週間ほど強制的に有給を取得させる、

などの制度を設ける事で、不正は明るみに出やすいです。

就業規則の罰則を厳しくすることも良いのかも知れませんが、採用には十分注意が必要です。

なんだか会社に信頼されてないなぁ、と感じる社員さんもいるからです。

「心」とは目に見えない部分の対策です。

社員教育が必要だとわたしは感じます。

モラルの教育は外部から講師を呼ぶのもよろしいのですが、

従業員100人以下の中堅・中小企業では、社長が自ら登壇して講師になる事をお勧めしてます。

社長との距離が近づくことで、社員さんに社長の考え方を直接つたえるのです。

社長の想い、会社の存在意義、会社の利益構造や、

さらに一歩踏み込んで決算書の内容などを従業員さんに教育する。

社長自ら教育することの余慶として、社員さん達と交流が深まり、

社員の意外な一面を発見して人材発掘にもつながります。

時間はかかっても信頼関係の醸成と、不正防止につながる構図を作っていくのです。

モラル教育は予防医学です。

社員を罪人にしないためにも、それを防止する措置と社員教育の必要性を感じた事例でした。

この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表

このブログでは、私の経験や考え方、ビジネスのノウハウ、そして趣味についてもシェアしていきたいと思います。

地元を愛し、地域発展に貢献したいという想いでおおもと経営オフィスを設立しました。私たちのミッションは、地元企業の成長をサポートし、地域経済の活性化に貢献することです。特に、マーケティングとイノベーションを通じて、お客様の会社をもっと強くするお手伝いをしています。

私の趣味は美味しいものを食べること、日本酒をたしなむこと、そして風景の写真撮影です。新しいお店に行くことが大好きで、それを友人や家族と共有することも楽しんでいます。また、風景写真を撮ることで、旅先や日常の中で感じる美しい瞬間を記録しています。

このブログでは、私がこれまで学んできた知識や経験を綴り、皆様と共有することで、札幌や北海道のビジネス界に貢献していければと思います。成功事例や実践的なヒント、業界のトレンドについてもお話ししていく予定です。

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