他人を下げても、自分の価値は上がらない

社長専門コーチング

「あの会社は、所詮カネ儲けしか考えていないから」
「うちの接遇レベルに比べたら、あそこなんて幼稚園みたいなもんだ」

今思い出しても顔から火が出るほど恥ずかしいのですが、かつての私は、社員やお客様の前で、平気でライバル企業の悪口を言っていました。そうすることで、自社の優位性を示せると本気で信じ込んでいたのです。未熟でした。

焦っていました。そして、自分に自信がなかった。だから、相手を貶(おとし)めることでしか、自分の立ち位置を確かめる術を知らなかったのです。

しかし、他人を下げて得られるのは、その場限りのちっぽけな優越感だけ。自分の価値は1ミリも上がらないどころか、むしろ、その言葉を発すれば発するほど、自分の内側にある自信が、どんどん削れていくような感覚さえありました。

社員は見ていた、経営者の器の小ささ

私がライバルをこき下ろしている時、社員たちは黙って頷いていました。だから私は、彼らも同じ気持ちで、自社を誇らしく思ってくれているのだろうと、とんだ勘違いをしていたのです。

彼らは、私の言葉に同意していたのではありません。ただ、私の「器の小ささ」を、冷めた目で見つめていただけだったのです。そのことに気づいたのは、ずっと後になってからでした。

考えてみれば当然です。社員は、他社の悪口を言って悦に入るリーダーではなく、正々堂々と戦い、そして勝つリーダーの背中が見たいのです。私が発していた言葉は、社員の士気を高めるどころか、「うちの専務は、他社の悪口を言わないと自社の価値を語れないのか」という、静かな失望を彼らの心に広げていました。リーダーへの信頼が揺らぐ瞬間を、私は自ら作り出していたのです。

本当に自信があるリーダーは、ライバルをリスペクトする

どん底を経験し、もう一度立ち上がる過程で、私はようやく気づきました。本当の自信とは、他人との比較の中にあるのではなく、自分たちの仕事に対する「向き合い方」の中にしか存在しません。

ライバルは、競い合う敵であると同時に、同じ市場を切り拓き、お客様に価値を届けようと奮闘する「戦友」でもあります。彼らの優れた点からは謙虚に学び、彼らの存在があるからこそ、私たちはもっと良いものを作ろうと努力できる。そう思えるようになった時、私の心は不思議と軽くなりました。

もう、他人の評価を気にする必要はありません。私たちがやるべきことは、ただ一つ。自分たちの信じる道を、まっすぐに進むこと。そして、ライバルに負けないくらいの努力をすることです。

焦りから他人を批判してしまう自分と決別したいあなたへ。経営参謀が、あなたの本当の価値を共に探します


ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。

▼ もしあなたの社員が、あなたがライバルを馬鹿にする言葉をそのまま真似するとしたら、あなたは誇らしいですか?

サムネールは ChatGPT で作成しました。

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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