事業承継の失敗が招く、一番の悲劇

社長専門コーチング

「親の仕事を継ぐ人が少なくなっている」。個人の自由や生き方が尊重される時代の流れ、と言ってしまえばそれまでかもしれません。しかし、何代にもわたって築き上げられてきた技術や信頼が、その代限りで失われてしまうのは、やはり惜しい。

事業承継の失敗が招く一番の悲劇は、単に会社がなくなることではありません。それは、あなたが守り続けてきた社員とその家族の生活、そして、地域で築き上げてきた信頼という名の財産、そのすべてが失われてしまうことです。

「ウチはまだまだ大丈夫」
「後継者の話は、まだ早い」

そう思っているうちに、時間はあっという間に過ぎていきます。そして準備不足のまま迎えた承継は、社内に混乱と対立を生み、これまで一丸となっていたはずの組織をバラバラにしてしまうのです。それはまるで、リレーの途中でバトンを落としてしまうようなもの。走るべき次の走者がいるのに、レースそのものが終わってしまう。これほど悔しく、悲しいことはありません。

後継者選び、3つの選択肢とそれぞれの覚悟

後継者へのバトンの渡し方には、大きく3つの選択肢があります。そして、そのどれを選ぶにしても、経営者であるあなたの「覚悟」が問われます。

  1. 親族に継がせる
    「世襲は封建的だ」という見方もあります。確かに、能力のない後継者は社内の活力を失わせ、会社を危機に導くでしょう。しかし、問題は世襲そのものではなく、後継者の「器量」です。経営者としての資質、すなわち内外への気配りや思いやり、率先して難に当たる責任感、そして社員の良き相談相手になれるか。それらの器量を備えた者であれば、血縁は揺るぎない強みにもなり得ます。
  2. 社員に継がせる
    会社の文化や歴史を深く理解してくれている、頼もしい選択肢です。しかし、彼らに経営者としての「孤独」と「重圧」、そして最終的な責任を背負わせる覚悟が、あなたには必要になります。
  3. 第三者に会社を託す(M&A)
    大切に育ててきた会社を、社外の人間に委ねる決断です。これは「負け」ではありません。会社と社員の未来を最優先に考えた、勇気ある選択です。ただし、会社の文化や名前が変わってしまうかもしれない現実を受け入れる覚悟が求められます。

どの道を選ぶにせよ、正解はありません。あるのは、あなたの会社にとっての「最善」だけです。

「魂」まで引き継ぐための、承継計画の立て方

事業承継とは、株や資産といった「形あるもの」を引き継ぐだけの作業ではありません。本当に引き継ぐべきは、あなたの経営理念や社員への想いといった、会社の「魂」そのものです。

その「魂」の核とは何か。それは「会社は社会の奉仕者である」という精神です。

目先の利益を追うだけの経営は、変化の激しい時代の中ではかえって会社を危うくします。利益優先主義に陥ることなく、社会のために何ができるかを問い続ける姿勢。それこそが、会社を永続させる土台となります。

承継計画とは、書類を作ることではありません。会社の「魂」とは何か、社会に対する責任とは何かを、後継者ととことん語り合う、その時間そのものなのです。

「いつか」ではなく、「今」から。
未来へのバトンを、最高の形で渡すための準備を、一緒に始めませんか。

『いつか』を『今』に。あなたの会社の未来地図を、経営参謀と一緒に描きませんか? meticulously crafted call to action


ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。

▼ あなたの会社から、あなたの名前が消えたとしても、絶対に残り続けてほしい「魂」とは、具体的に何ですか?

(師・堀田先生の書籍を参考にしました)

サムネールは ChatGPT で作成しました。

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この記事を書いた人
おおもと経営オフィス 代表
大本 佳典

大本佳典【公式】 / Yoshinori Oomoto
おおもと経営オフィス 代表
1993年より企業経営に携わる、「経営者の心に寄り添う経営コンサルタント」
[経歴と実績]
経営戦略立案、融資サポート、ビジネスコーチングの専門家。年間のセミナーなど登壇回数は100本超え。
北海道商工会議所連合会エキスパートバンク登録専門家、北海道商工会連合会エキスパートバンク登録専門家として活動。
[趣味]
美味しい料理と日本酒を楽しむこと、写真撮影。
北海道を愛車の MINI COOPER で走り回ること。年間走行距離は30,000km超。
[ブログについて]
経営者の皆様に寄り添い、実践的なビジネス戦略や心構えについて発信してます。
失敗と復活を経験した視点から、北海道の企業の成長と発展に少しでも貢献できたら嬉しいです。

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