「今月も売上目標達成だ!」「前期比120%で着地!」
経営者であれば、売上の右肩上がりのグラフを見て、胸をなでおろす瞬間は多いでしょう。私もかつてはそうでした。数字が伸びていく高揚感に包まれ、会社の未来は明るいと信じて疑いませんでした。しかし、その安心感こそが、気づかぬうちに会社を蝕む病の始まりだったりするのです。
売上は確かに順調。利益も出ているはず。なのに、なぜか月末になると資金繰りに奔走し、支払いのために頭を下げて回る…。そんな経験はありませんか?これは決して他人事ではなく、多くの真面目な経営者が陥る「黒字倒産」という恐ろしい罠の入り口です。PL上の黒字は、あくまで「計算上の利益」。それがあなたの会社の金庫にある「現金」とイコールではないという、当たり前でありながら見過ごしがちな現実から、私たちは目をそらしてはいけないのです。
まるでバケツの穴。お金が静かに漏れ出す場所
会社の現金を「血液」だとすれば、キャッシュフローはその流れそのものです。血液の流れが滞れば、どんなに屈強な肉体でも倒れてしまう。あなたの会社では、気づかぬうちに血液が漏れ出している「穴」はありませんか?
一つは、売掛金の存在です。商品を納品し、請求書を発行した瞬間に「売上」は立ちますが、その代金が2ヶ月後、3ヶ月後に入金されるのであれば、その間、会社には1円も入ってきません。その間にも、仕入れ代金や社員の給料、オフィスの家賃といった支払いは容赦なくやってきます。このタイムラグが、会社の体力を静かに奪っていくのです。
もう一つの穴は、過剰な在庫です。いつか売れるはず、と信じて抱えている倉庫の商品たち。それらは、現金化されるまでは単なる「モノ」でしかありません。PL上は資産として計上されていても、それでお腹は膨れないし、支払いもできません。私も過去、見栄や希望的観測で在庫を抱え、資金を寝かせてしまった苦い経験があります。あれは本当に、会社の成長の機会を自ら手放しているようなものでした。
明日からできる、会社の血液をサラサラにする具体策
では、どうすればいいのか。難しい専門知識は後回しで構いません。まずは、あなたの会社の「お金の健康診断」を始めることです。
一番の処方箋は、とにかく「資金繰り表」を作ってみること。大げさなものでなくていい。エクセルでも、手書きのノートでも構いません。向こう3ヶ月先までの現金の「入る予定」と「出る予定」を書き出してみる。たったこれだけで、「来月のこの時期が危ないな」という未来の危機が「見える化」されます。この「見える化」こそが、すべての対策の第一歩です。
そして、勇気を出して、取引先と回収サイトの交渉をしてみる。抱えすぎた在庫は、損をしてでも現金化する決断を下す。一人で抱え込まず、金の流れを客観的に見てくれる専門家に相談する。その小さな一歩一歩が、あなたの会社を足元から強くし、本当の意味での成長軌道に乗せてくれるのです。
PLの黒字に一喜一憂する経営から、通帳の残高に安心できる経営へ。その転換こそが、経営者が孤独なプレッシャーから解放され、心からの笑顔を取り戻すための道だと、私は自身のどん底の経験から確信しています。
売上はあるのにお金が残らない…その不安、あなたの経営参謀に話してみませんか?
ビジネスコーチ大本から、今日のコーチングです。
▼ あなたが、意図的に見て見ぬふりをしている『不都合な数字』は何ですか?
サムネールは ChatGPT で作成しました。
#経営参謀サービス #ビジネスコーチ #エグゼクティブコーチング #黒字倒産 #資金繰り #キャッシュフロー #キャッシュフロー経営 #経営者 #社長 #起業家 #会社経営 #経営改善 #30代経営者 #40代経営者 #資金管理