こんにちは。今日は、人材マネジメントについて一緒に勉強していきましょう。
事業が軌道に乗り始め、社員が増えてくると、様々な悩みが出てきますよね。「どうすれば社員を適切にコントロールできるのか」「業績を上げながら、いかにして人材を育成していくべきか」。こんな声をよく耳にします。
私自身、ある自動車販売会社の経営者から相談を受けたことがあります。彼は言いました。「大本さん、社員が増えてきて、一人一人に目が行き届かなくなってきたんです。かといって、がんじがらめに管理するのも違う気がして…」
ここで大切なのは、「コントロール」という考え方自体を見直すことです。今日は、その代替案として「コーチング」という手法をご提案したいと思います。
なぜ「コントロール」では限界があるのか
まず、「コントロール」という言葉の持つ意味を考えてみましょう。これは往々にして上から目線の管理を連想させます。確かに、ある程度の管理は必要です。しかし、過度なコントロールは社員の自主性や創造性を阻害する恐れがあります。
私自身、以前タクシー会社で総務部の課長を務めていた時に、まさにこの問題に直面しました。当時、私は事務員さんの細かな作業手順まで指示を出していたんです。その結果、どうなったと思いますか?事務員さんが嫌がって次々と退職してしまったんです。「もっと自分で考えて仕事がしたい」という声も聞こえてきました。これには本当に頭を抱えましたね。
「コーチング」という新たなアプローチ
そこで注目したいのが「コーチング」です。コーチングとは、社員一人一人の潜在能力を引き出し、自ら考え行動する力を養うアプローチです。
私が在職していたタクシー会社では、様々な勉強会に参加して「自主性を重んじる」ということの大切さを学びました。今私が行っている「コーチング」ではありませんでしたが、自然とコーチングのようなアプローチを実践するようになったんです。具体的には、事務員さんに自分自身で考えてもらい、自主的に動くように導くようにしました。
結果はどうだったでしょうか。時間はかかりましたが、事務員さんの退職が止まりました。当時4人いた事務員さんの定着率がぐっと良くなったんです。さらに、彼女たちから自主的な改善提案が出てくるようになり、職場の雰囲気も明るくなりました。
定期面談の重要性
コーチングを実践する上で、欠かせないのが「定期面談」です。しかし、ただ漫然と話をするのではなく、面談の時に確認することを決めてから臨むことが効果的です。
ある企業では、月に一度の定期面談で以下の3点を必ず確認するようにしました。
- 前月の目標達成状況と振り返り
- 今月の目標設定と行動計画
- 最近の気持ちの変化や悩みごとの確認
特に3つ目の点では、「最近、何か変わったことはありませんか?」「気になることはありますか?」といった質問を通じて、社員の気持ちに寄り添い、必要な支援を行うようにしました。
この結果、社員の目標達成率が向上し、離職率も低下。さらに、管理職の負担も軽減されたのです。
外部の専門家の活用
とはいえ、全ての経営者がコーチングのスキルを持っているわけではありません。「難しいなら外部の専門家」の力を借りるのも一つの手です。
私自身、多くの企業で「仕事・働くことの意義とは何か」というテーマで社員さんと対話する機会を持ってきました。そこで感じたのは、社長さんが直接言うことよりも、外部の専門家が伝えることで、社員さんが納得しやすい傾向があるということです。それによって、社員さんの固定観念が崩れ、新たな可能性を見出し、前向きになる…そんな変化を何度も目にしてきました。
実際に、私が研修を行った自動車用品販売店では、「働くことの意義」について1日かけて研修を実施しました。その結果、社員さんの反応が非常に良く、社長さんにも大変喜んでいただきました。社員さんが前向きに、明るく働くようになったんです。さらに驚いたことに、自分たちで自主的にミーティングを開き、お客さまへの接し方を話し合うようになったんですよ。本当にがらりと雰囲気が変わりました。
まとめ:人を育てる組織づくりが、企業の持続的成長を支える
「人」は企業の最大の資産です。その「人」を育てる組織づくりこそが、企業の持続的な成長を支える礎となるのです。
コントロールからコーチングへ。管理から育成へ。この転換は、一朝一夕にはいきません。しかし、この投資は必ず実を結ぶはずです。
皆さんの会社では、どのような人材マネジメントを行っていますか?日々の経営の中で、どんな工夫をされているでしょうか。
それでは、また次回お会いしましょう。
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