毎朝AIにニュースを読ませている私が、ヒヤッとした話
私は毎朝、その日のニュースをAIに読み上げてもらっています。正直、便利です。ところがある朝、ふと手が止まりました。これを「AIを使いこなしている」と呼んでいいのだろうか、と。読み上げさせるのは、ただ"触った"だけ。私の仕事の中身は、ひとつも変わっていません。
3年見てきて、いちばん強く感じたこと
商工会や商工会議所で3年ほどAIの話をしてきて、いちばん強く感じたことがあります。皆さん、なかなか触らないのです。動画で学んで「ふわっといいな」で終わる。プロンプトの本を一冊読んでも、次の日には元の仕事のやり方に戻っている。学ぶことと、現場が変わることのあいだには、思っているより深い川が流れています。
受けても、半分は止まっていました
去年、私が生成AI講座を担当した、ある商工会議所さんがあります。そこが半年ほど経ってから、会員の事業所さんに「実際にAIを使っていますか」とアンケートを取りました。結果は、およそ5割。受けた方でも、半分は使っていて、半分は止まっていたのです。正直、こたえました。私の講座の中身が足りなかったのか。それとも、受けたあとに背中を押す何かが要ったのか。しばらく、そればかり考えていました。
9万8千円の"呪文"は、どこへ行ったのか
2023年、9万8千円のプロンプト講座に、副業を目指す人が殺到したとのことです。では、その"魔法の呪文"を覚えた人たちは、今どうしているか。「あれ、まだ使っていますか」と聞くと、「もう要らないよね」と返ってきます。道具のほうが賢くなって、細かい呪文を覚える必要そのものが消えました。プロンプトを"覚えただけ"の人が立ち止まるのは、実は最初から決まっていた結末だったのです。
「触った」と「任せた」は、まるで別のことです
ここに、止まる理由の正体があります。プロンプトを覚えるのは、「AIに上手に質問する」練習です。けれど、会社の仕事が本当に軽くなるのは、質問がうまくなったときではありません。その作業をまるごとAIに"任せた"ときです。生成AIで作った事業計画書を持ち込む相談も増えました。かたちにはなっている。でも、中身は薄い。質問して出させただけで、任せて片づいたわけではないからです。
あなたの会社でも、"覚える"で止まっていませんか
だから私は、セミナーでAIの操作方法やプロンプトばかりを教え込むのをやめました。操作もプロンプトも、もちろんお伝えします。ただ、いちばん時間をかけるのは、AIに実際の仕事を任せていく様子を、目の前で見てもらうことです。すると受講した経営者が、こちらが促す前に「あ、それ、うちの請求書でもできるんですか」と身を乗り出す。止まっていた足が、そこで初めて動き出すのです。
「覚えるAI」で止まった会社を「任せるAI」に切り替える糸口を、一緒に探しませんか
ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。
▼ あなたが「AIを使えている」と感じているその作業は、"触っただけ"でしょうか。それとも、仕事の中身そのものが変わったでしょうか。
