先日、社員6人の鉄工所で、こんな線引きを見ました。入社2年目の社員に、親方が「1万円までの消耗品は自分の判断で、それを超えたら紙で確認」と決めていたのです。どこまで任せ、どこから自分が握るか。金額で線を引く。中小企業ではありふれた光景です。
いま同じ発想が、AIエージェントの使い方で必要になっています。去年までのソフトは、指示しなければ動きませんでした。今年のAIは、目的を渡すと自分で段取りを組み、自分で動き出します。便利な半面、放っておくと本当に勝手に走ります。動く範囲や止める条件を決めておかないと、気づいたら発注が済んでいた、確かめないまま顧客へ返信していた、という事故が起きます。
「ハーネスを握る」という言葉が経営判断の真ん中に出てきたのは、このためです。ハーネスとは犬の胴輪のこと。自由に歩かせる範囲と、いざというとき引き戻す綱を、経営者が自分の手に持っておく。いわばAI時代の内部統制です。
ただ、身構える必要はありません。これは新人に権限を渡すときの線引きと、同じ構造をしています。社長が昔から人に対してやってきた設計が、そのままAIにも使えます。
まずは、あなたが採用した社員に、どんな線を引いたか。そこから思い出してみてください。
AIに任せる範囲と、自分が握る判断の線引きを一緒に整理しませんか
ビジネスコーチ大本から、今日の質問です。
▼ あなたの会社で「これだけはAIにも社員にも渡さず、自分が最後に握る」と決めている判断は何ですか。
